ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)が様々なことを調べています。主なソースはWikipediaとYoutubeです。

中崎タツヤの持たない男について

ビッグコミックスピリッツという青年誌の巻末に「じみへん」という4コマ漫画が連載されていてすごい好きだった記憶がある。内容はとてもシュールで短く読みやすくて漫画を描くならこんな漫画が描きたいなといつも思っていた。

 

古びた港の波止場で友人同士でダベっているシーンがよく出てきて、会話の内容はくだらない内容でありながらなんともいえない寂しさと哀愁があってお気に入りだった。

 

作者の中崎タツヤはモノをとにかく捨てる人で有名らしく、数年前に「持たない男」という彼のモノの捨て方とその理由をまとめた本を買ったことがあった。ふと、書棚にほっていた本が目に止まって読み返すと自分の頭の中を読んでいるようで思わず声を出して笑ってしまう。

 

無駄を嫌うために本を破りながら読んだり、パソコンは余分なことに気を取られてしまうので全て捨ててしまったりとそのモノを捨てることに対する姿勢は突き抜けていて、「ここまでやっちゃうんだな」とまだまだ自分は足元にも及ばないと改めて実感させられた。

 

また、無駄を嫌うがゆえにそれ以上に無駄なことをしてしまうこともあるといった部分は本当に耳が痛くて、一体なんなんだろうなと自分自身でも思うことがある。

 

モノを捨てても記憶の中には残るし、そもそも捨てて記憶に残らないようなモノや思い出なんてものはどうでもいいことみたいなことが書いてあって、それはそうだと共感できる。

 

物欲が人一倍強いから捨てることへの振れ幅も大きいというのは確かにあるなと思っていて、自分自身ちょっとお金を持つとすごいひどい使い方をすることがあってあえてモノやお金から距離を置いているところがあるなとも思う。

 

そんな彼もカミさんだけは捨てられないと書いていて少しほっとする。読んでいると始めは楽しく読んでいるものの、読み進めていくうちに一体どこまで捨てていくんだろうとその底知れぬモノを捨てることに対する執念に少し怖くなる。

 

モノは自分の心についている「バリ」のようなもので、それを捨てることでグラインダーでバリ取りをするような爽快さがあるもののやりすぎると形状まで変わってしまうのでほどほどの部分がとても難しい。

 

所有が自分自身を外部に拡張させて不安を増大させるなら、そういったものをどんどんと削ぎ落としていくのはとてもいいことだと思う。

 

インターネットの外部拡張機能は無駄の塊なのかもしれなくて、それを削ぎ落とし尽くしていくと最終的に何が残るのかに最近すごい関心がある。

 

さあ、部屋の掃除をするかな。

もたない男 (新潮文庫)

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