ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)が様々なことを調べています。主なソースはWikipediaとYoutubeです。

Jesus Camp(ジーザス・キャンプ)という映画

以前「26世紀青年」という日本未公開の映画について書いたことがあった。

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この映画について調べているうちに初めて「日本未公開」というジャンルの映画が結構あることを知った。なぜ未公開になるのかは興行的な問題などを含めて色々と事情があるのだろう。

 

前述した26世紀青年が思ったよりも面白かったため、他にはどのようなものがあるのだろうと調べていたら、「Jesus Camp」という映画を見つける。

 

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アメリカのキリスト教の一派である福音派(evangelical)の中でも過激なものをピックアップした2006年公開のドキュメンタリー映画だ。

 

福音派は全米で8000万人いるらしい。アメリカの人口が3億人であることを考えると、その多さを実感できる。また、アメリカ大統領選でよく話題になる「ティーパーティー」と呼ばれる政治グループの支持母体としても知られている。2006年はアメリカはまだブッシュ政権の時代でもある。

 

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トレーラーを見ていると、親の仇かというくらいハリーポッターが糾弾されていて「ハリーポッターに死を!」とまで言っている。一体ハリーポッターが何をしたのか。

 

そして、聖水をかけて牧師が子どもたちの手を清めているシーンでは、ネスレのペットボトルに入った水をジャブジャブ使うあたりにアメリカ人らしい雑さがあった。どこか、サウスパークのエピソードに出てきそうだった。

 

しかし、それ以外のシーンはドン引きする映像の連続であり、「これはジョークではなくマジでやっているんだな」と段々と事態が飲み込めてくる。牧師いわく「15歳以下の若い子供達」が布教のメインターゲットで彼らは聖なる戦いを担う戦士でもあるのだそうだ。

 

ただ、注意しておきたいのはあくまで過激なグループの一つをピックアップしている映画で、全てのキリスト教徒がこういう感じではないということだ。

 

この映画に興味を惹かれた理由として、10年近く前にアメリカへ行く機会があり実際に似たような福音派のイベントに誘われたことがあったからだ。

 

ここまで激しいものではなかったが、カリスマ牧師が大勢の観客の前で演説しているサマーキャンプの映像を見せられたり、周りの信者が両手を天に向けて「パワーを、パワーを」と呪文のようなものを唱えていて早く帰りたかった思い出がある。

 

「宇宙は神が作った」を始めとした様々な話もしてくれた。ただ、そういった異質なもの以外彼らはいい人だったし、特に無理に自分を勧誘することもなかった。「ただ、彼らの世界観がそういうものだった」というだけの話だったのだろう。「本当に信じている人がいるんだ」と宗教というものに関心を持ったのはこのあたりからだったと思う。

 

日頃見慣れない異質なものであるため違和感を感じるが、それがいいかどうかは別として異様さの中にも彼らなりの正義があることは忘れてはならない。

 

同列で比較するのもあれだが、例えば家族との時間を大切にするアメリカ人からすれば毎日夜遅くまで残業する日本人の働き方も異様に見えるのである。しかし、それに慣れてしまった人間にはそれが異様かどうか分からないという点では似たようなものだと思う。

 

ただ、やはり贔屓目に見ても色々と問題がありそうなことは間違いないだろう。

 

余談だが当時泊まったホテルでケーブルテレビを見ていると、「ミラクルスプリングウォーター(miracle spring water)」という魔法の水を売るテレビCMが延々と流れているチャンネルがあった。最近、そのCMの動画を発見する。

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フリーコールで注文すると、タダでミラクルスプリングウォーターという魔法の水が送られてくる。そして、その水を受け取るとなぜか大金の小切手が送られてきたり、病気が治ったりと様々な奇跡のストーリーが展開される。

 

「すごいCMだな」と当時は思ったが、日本にはアメリカの文化が10年遅れでやってくると思っているのでそのうちケーブルテレビで似たようなものが放送される日がくるかもしれない。

 

未だに偽善をこのCMに感じるものの、このスキームが一定数の絶望の淵にいる人間を救ってもいるのも事実だろうし複雑な気分になる。

 

日本よりはるかに多様な価値観が混在するなかで、アメリカという国はよく分裂しないなとつくづく思う。