ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)が色々なことを調べています。主なソースはWikipediaです。

シンギュラリティという21世紀の金の子牛の話

巷は空前のAIブームである。

 

多くの人間の仕事がAIに取って代わられてしまうとも言われているが、煩わしさが最高潮に達した結果全てをAIに委ねてしまいたいと感じる今日このごろ。

 

そういえば、ガングロカフェが人手不足に悩まされているらしい。

AIならこの問題をどうにかしてくれるのではないかと期待してしまう。

www.j-cast.com

 

そして、「シンギュラリティ」という言葉もよく目にする。指数関数的に進化をする人工知能2045年くらいに人類を知性で凌駕するらしい。可能性としてはあるんだろうなと思う。

 

技術的特異点 - Wikipedia

 

指数関数的と聞くと「ムーアの法則」を思い出す。インテルの創業者が半導体の集積率が指数関数的に増えていくことを説明したものだったが、一時期法則が崩れたみたいなニュースを見たことがあった。今はどうなっているのだろうか。

 

また、永遠に続くようなイメージを指数関数的という単語に抱いてしまいがちだが、指数関数的に増加すると言われていたエボラ出血熱の騒ぎも結果的に収束していたので、継続期間については若干疑問符が残る。

 

どの程度の期間AIは進化しつづけられるのだろう。そして、どの程度のレベルまでAIは成長するのだろう。シンギュラリティの当初の予測まで行かずとも、それなりのレベルには達するような気はする。

 

まあ、それよりも自分が2045年まで生きていられるかどうかの方があやしいのだが。

 

このシンギュラリティについては賛否両論様々な意見があるようだ。個人的に気になった意見に以下のようなものがあった。

 現実を見よう。技術的特異点は、科学的なビジョンというよりは宗教である。SF作家のケン・マクラウドは「コンピューターマニアたちの携挙(the rapture for nerds)」という名前を授けている。つまり、歴史の終末であり、イエスが現れ信仰者を天国へと導き、罪人を後に残していく瞬間である。このような超越的なものを願う理由は、完全に理解可能である。個人としても種としても、我々は致死的に重大な問題に直面している。たとえば、テロ、核拡散、人口過剰、貧困、飢餓、環境破壊、気候変動、資源枯渇やエイズなどである。エンジニアと科学者は、我々がこれらの世界の問題に立ち向かい、解決策を発見することを支援するべきなのであって、技術的特異点のような夢想的、疑似科学的ファンタジーに浸るべきではない。

 

テクノロジーを盲信する人と宗教を信じる人に不思議な類似性を感じたことがあったが、シンギュラリティをAIという神を作り出す行為だと捉えるとあながち外れてはいないのだろう。よく一流の科学者になればなるほど神を信じるようになると言われるが、この辺りの相関関係がとても気になる。

 

日本人にはあまり馴染みがないが、キリスト教の世界観には「終末」という概念がとても色濃く反映されている。「始まりがあって終りがある」のである。

 

そして、シンギュラリティの話を聞くと旧約聖書の「金の子牛」という話を思い出す。

 

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出エジプト記』によると、モーセシナイ山において神から十戒の石版を授与されるまでには40日の期間を要したとされているのだが、麓に残されたイスラエルの民は時間の経過と共に忍耐力を失い、ついには、モーセは死んだと思うようになった。不安になった民はアロンのもとに相談に出向き、苦肉の策として民族を導いてくれる新しい神の制作を懇願する。アロンはそれに応じ、全民衆から貴金属の提出を命じる。こうして鋳造の金の子牛が完成したのである。

これを知った神は激怒し、一刻も早く下山するようモーセに命じる。神は民を滅ぼし尽くすとまで言うが、モーセになだめられ思い直した。モーセが下山して宿営地に戻ったところ、民衆は宴に興じながら金の子牛を拝んでいた。怒りに満ちたモーセ十戒の石版を破壊するやいなや、金の子牛を燃やし、それを粉々に粉砕して水に混ぜ、イスラエルの民衆に飲ませた。そして彼はレビ族の者を集め、偶像崇拝に加担した民衆の殺害を命じる。同書では、そのとき死んだ民衆の数を3千人であったと述べている。

 

神は死んだと思った民衆が、自分を救ってくれる神を手持ちの貴金属で作る。

しかし、神は生きていて神の怒りによって鋳造した金の子牛の周りで踊り狂っていた民衆は死んでしまう。

 

拝金主義の比喩として用いられる話のようだが、テクノロジー信仰にも同様に適用できるような気はする。

 

人間のやることは数千年前から変わっていないようだ。

21世紀の金の子牛は一体どのような姿になるのだろうか。

 

しかし、旧約聖書の神はなぜすぐキレるのか。

神の怒りを鎮めるシステムを作る方が順番的に先のような気がする。