ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)が色々なことを調べています。主なソースはWikipediaです。

お盆と芥川龍之介と蜘蛛の糸の世界

お盆である。

 

そこで、盆について調べてみる。

お盆 - Wikipedia

 

 お盆(おぼん)とは、夏に行われる日本の祖先の霊を祀る一連の行事。日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事である。

かつては太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。現在では太陽暦の8月15日を中心とした期間に行われることが多い。

 

奇祭だと思っていた盆踊りにも目的があるようだった。

15日の盆の翌日、16日の晩に、寺社の境内に老若男女が集まって踊るのを盆踊りという。これは地獄での受苦を免れた亡者たちが、喜んで踊る状態を模したといわれる。夏祭りのクライマックスである。 

 

地獄の蓋が開き、現世に舞い戻った亡者がつかの間の娑婆の空気を堪能できる貴重なイベント、それがお盆。これは、つまりあの世でもさらに苦しむことが確定しているということなのだろうか・・・。

 

そして、地獄といえばかの有名な小説家芥川龍之介は、この世をよく地獄に見立てていたそうだ。

 

自身の遺作として有名な「ある阿呆の一生」の中でも、生まれてきた自分の息子に対してこのようなことを書いている。

 

 なんのためにこいつも生まれて来たのだろう?この娑婆苦の充ち満ちた世界へ

 

ちなみに娑婆は刑務所の外の比喩でよく使われるが、

本来は、

 

苦しみに満ちた耐え忍ぶべき世界」

人間の住む世界

 

など正反対の意味があることを知って驚いたことがある。

実はこの世が地獄だったと暗喩しているのでなおさらである。

 

そして、その芥川龍之介の代表作の中に「蜘蛛の糸」がある。

個人的にとても好きな話だ。

 

カンダタという盗賊が地獄の底にいた。

一匹の蜘蛛を気まぐれで助けたことにより天から一本の蜘蛛の糸が垂れてくる。

その糸を頼りに上へ上へと登っていくが下からは他の地獄の住人が後に続いてくる。

「この糸は俺のものだ」と言い放った途端糸が切れてカンダタは最後地獄へと堕ちていく。”

 

全文は青空文庫の中に。

芥川龍之介 蜘蛛の糸

 

この地獄から這い上がろうとするカンダタのような人々を何人も見てきたが、

堕ちていった人々に共通する法則があることに気がついた。

 

それは彼らの発する言葉の主語に「I(アイ)」が多いことだった。

「俺は」「私は」の「I(アイ)」である。

 

また、彼らは「You」もよく使う。

「あいつは」「お前は」と。

 

そして、彼らの辞書からは「私達」を意味する「We」が全く失われていたのである。

Youを使うとき相手との間に仕切りがあるが、Weを使うときそこには仕切りがない。

 

糸を登る過程で言葉を失うのは、「雨が降ったら地面が濡れる」くらい人間にとって逃れられない定めなのだろうか。

 

「人生は地獄よりも地獄的」とはよく言ったものだと思う。

 

刑務所の中 (講談社漫画文庫)

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