ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)の活動日記です。お金と愛が不足しています。

依存症とアダルトチルドレンと負のPDCAサイクルの話

ある時期からアルコールを飲み出したら止まらなくなり、原因究明のため依存症について色々と調べていたことがあった。

 

過去にもこんな記事を書いた。

 

www.yonaosix.com

 

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また、依存症について色々読んだ中で良かったものの中に齋藤学という精神科医の書いた「薬物依存と精神療法」という記事がある。

 

これは依存症問題を抱えている人は是非一度目を通してほしいと思っている。

 

www.iff.co.jp

 

特に重要だと思った部分の一部を引用したい。

 

 近代の市民たちは老若男女を問わず自らの価値に懐疑的になっていて、他者の承認や拍手ばかり求めている。拍手をもらうためなら、かなり危険で無理なことまでやってのける気になっている人がありふれているという点をさして、現代は「ナルシシスト(自己愛者)の時代」とも呼ばれる。

 

矛盾することだが、自己愛者は自己を愛していない。他者の評価ばかり気にしているから、自らの中に自己を承認し、愛する部分が育たない。それどころか、思いどおりに動かない自己に対して、「意志の力」という鞭を当て続け、その痛みが「耐え難い寂しさ」として感じられる。この痛切な感情は、感情鈍麻という心的防衛を経て、退屈感へと移行する。寂しくて退屈な人は、愛されたい対象の安全な代替物として食物やアルコールなどの嗜癖対象を選ぶ。真に愛されたい人からは拒絶されるかもしれないが、嗜癖対象なら安全だ。「冷蔵庫はしゃベらない」「酒瓶はあざけらない」。

 

依存の背景にある心理状態のプロセスには以下の流れがあるようだ。

 

「寂しさ」

「退屈」

嗜癖

 

寂しさが退屈を生み、退屈が嗜癖行動に走らせるという説明が体感的にもよく理解できる。

 

寂しさを感じる理由は人それぞれだろう。

では寂しさとは一体どこから来るのだろうか。

 

様々な本を読んだ中で、依存症を患う人間には「心」の問題があると共通して書かれていて、それらでよく目にした単語が「自己愛性人格障害ナルシシズム)」と「アダルトチルドレン」だった。

 

両者の症状の背景に共通して書かれていたのは「機能不全家族」の存在だった。

 

アダルトチルドレン」とは大人になっても子供っぽい人の事を指すのかと思っていたが、正しくは家庭問題がある中で育った子供が大人になってもそのトラウマを引きずっていることを指すらしい。

 

よく依存症の原因は「愛」の不足にあるといわれることがあるが、それは男女関係のそれではなく、自分自身に対しての「愛」を指しているのだと思う。

 

アダルトチルドレンである場合、まず親からの無条件の愛が不足していると言われている。親からの評価を得るため、自分に鞭を打って理想の自分を演じることを繰り返した結果、それを大人になっても引きずってしまったということだろうか。

 

結果としていつまでたってもありのままの自分を愛する事ができないため、寂しさを常に感じることになり、他人からの承認欲求が止まず、渇望感の結果様々なトラブルを起こすようになる。

 

要するに「意志の力」を信じ過ぎて、自己を思うままにしようと闘うと嗜癖する。その闘争の負けを認めて、限界ある自己を受け入れることが、嗜癖から離れるコツである。

 

齋藤学氏が述べる依存症の解決方法に「自己の闘争の負けを認めて、限界ある自己を受け入れること」とある。

 

なぜ、依存症者が闘争の負けを認められないかといえば、負けを認めてしまうことで自分は誰からも愛されなくなると錯覚してしまっている点にあるのだと思う。

 

アダルトチルドレンを由来としている依存症者の場合、自己の闘争を終わらせる一番最初のステップが「親を許すこと」にあるらしい。仕組みとしては、親を許すことで姿の見えない寂しさから解放され、ありのままの自分を受け入れることができ、次第に自分を許せるようになるということなのだろうか。

 

自分の闘争の負けを認めることは決して悪いことではないと思う。

PDCAサイクルで例えるととても分かりやすい。

 

Plan(計画)

Do(実行)

Check(評価)

Action(改善)

 

この仕組は人間に対しては欠陥のある考え方だと思う。

なぜなら人間はそう簡単に自分の失敗を認められるような都合の良い生き物ではないからだ。

 

Checkの段階で自分の失敗を認められないため、問題の根底にある部分も改善されず、問題の根を抱えたまま新たなPlanを練ることになり、負のPDCAサイクルは延々と繰り返される。

 

これが自分の闘争の負けを認めることで「改善」のプロセスが機能してサイクルが正常化する。

 

大人になって問題行動が多い人は目の前の出来事そのものに原因があるというよりも、生まれて来てから現在に至るまでに蓄積されたものに原因があり、とても根が深いものだと思う。

 

あくまでも自分用にカスタマイズした仮説なのでどこまで普遍性があるかは分からないが、一つ一つ釣り糸をほどくように向き合うしかないのだろう。

 

アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒す

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