ヨナオシクス

まったり三十代フリーライター(ワープア)の活動日記です。お金と愛が不足しています。

金曜ロードショーのかぐや姫と「生」と「死」

先週金曜日。

 

普段あまりつけないテレビを見ながら晩飯を食べていたら、偶然変えたチャンネルで金曜ロードショーがちょうど始まっていた。

 

冒頭、宮崎駿監督が葬式で挨拶をしている映像が流れていて、ぼーっと見ていたら高畑勲監督の遺作「かぐや姫の物語」を地上波初放送するとのことだった。

 

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そもそも、かぐや姫には「竹から生まれ、途中たくさんの男に求婚され、無理難題出した末に月に戻っていく」メンヘラ美少女が主人公の話くらいの記憶しかなかった。

 

最後に見たジブリが「アリエッティ」だったので、

今回もまた話が投げっぱなしになるのかと少し不安を感じながら鑑賞を始めた。

 

 

つ映画のトレーラーだよ。

www.youtube.com

 

まず、色彩がとても鮮やかな映画で、綺麗という言葉がそのまま当てはまる。

そして、筆で描いたようなタッチの絵柄が昔話感を演出していた。

 

かぐや姫が赤ん坊から成長していく過程も緻密に描かれていて、どんどん美しくなっていく様は見ていて心を打つものがある。

 

しかし、何しろ長かった。3時間くらいだったかな。

 

見終わった後も余韻が抜けきれず色々調べていた。すると、故高畑勲監督はこの映画に「生と死」のメッセージを込めていたという情報を見つけた。

 

「月の世界」は死の世界で、かぐや姫は生きることの喜びを知るために「地上の世界」へ降り立ったというコンセプトだったそうだ。

 

そういわれてみると、所々にそのような形跡はあったかも知れない。ただ、「地上の世界」において、かぐや姫は終始生きる喜びを感じていたかといえばそうでもなかった。

 

かぐや姫の表情に「生」と「死」が顕著に表れていたような気がする。

 

幼少期の野原を駆けずり回るかぐや姫は満面の笑みを浮かべ、生きる喜びを全身で表していた。

 

しかし、都に召されてからは一転表情が曇りだす。そこに、月の世界の死の臭いを嗅ぎとるかのように。しかし、育ての親である翁は「高貴な殿方に召されるのは幸せなことだ」と娘の意思を無視して良い縁談を見つけるため奮闘する。

 

そして、個人的にこの映画のクライマックスだと感じたのは、かぐや姫が都に出てきてからお忍びで花見に出かけるシーンだ。

 

両手を大きく天に向かって広げ、桜の美しさを体全体で味わう様には生きることの素晴らしさが凝縮されていたと思う。ただ、とある出来事ですぐその喜びも冷めてしまうのだが。

 

最終的にかぐや姫は再び月という名の死の世界へと戻っていくが、地上の世界でどれくらい「生きる」喜びを味わえたのだろうか。実は「生きながら死んでいる」期間の方が長かったのではと思ったりもする。

 

これは、かぐや姫に限らず多くの人間に言えることなのかもしれない。

 

なるべくたくさんの「生きる喜び」を味わってから死にたいものだが、かぐや姫でも難しい事を果たして凡人が成し得るのだろうか。。

かぐや姫の物語 [DVD]

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